梅田弘樹

humeda@studioume.net


 「シンプルさに潜む詩情」を表現したい。上品にかつさりげなく人々の精神を豊かにし、その生活をより快適にする助けとなるような。

 単純化された形は、その構成、成り立ちが容易に把握できる。道具/製品がそうした形でデザインされていれば、ユーザーはそれらに対面した時、その形と機能の関連をより直感的に理解できる。この一連の「理解」の過程は、爽やかな知的経験として人々の心に残るだろう。

 また、それを用いることが、日常の中の儀式性に意識を向ける機会になるような道具を作りたい。僕のデザインがその外観と機能で語る、そんな爽やかな体験―何らかの精神的、詩的、秘教的ストーリー―を聞き取ってもらえたらうれしい。それは、物質的あるいは合理的方法によってだけでは認識できない、人間精神の可能性の暗示となるはずだ。

 始まったばかりのこの新世紀には、このような「精神性の価値」というものが、これまで以上に大切なものとして見直されるようになるだろう。